「……分かりました。チェルシーの事だから、一人で着いて来てしまうだろうしね」
「ウッドロウ様……!」
「私達の傍から離れてはいけないよ」
「ハイ! チェルシー・トーン、粉骨砕身頑張ります!」
意気揚々と頷く少女とは対称的に、少年は未だ呆然としている。
出発は明日故チェルシーがアルバと部屋に戻った後、ある事を思い出したセシルがウッドロウに進言した。
「港にアクアヴェイルの次期大王が来てるんだ。彼は私達を此処まで送ってくれて、今は逃れて来た兵士達の治療をしてる」
「そうか……では、挨拶をしておかねばな」
「分かった。フィリア、引き合わせを頼まれてくれるかい?」
「分かりましたわ」
フィリアが了承すると、スタンも手を上げ名乗りを上げる。
「俺も行くよ!」
「うん……あまり派手に動かないでおくれよ?」
「分かってるよっ、任せとけ!」
「うーん……うん」
何だか心配なのが本心。
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