「確かに10センチも差が無いような……」
「ル、ルーティさんっ」
フィリアがたしなめるも既に遅く、リオンは目元を引きつらせていた。
だがそれでも声を荒げない彼は、最後の砦であるセシルに問う。
「セシル、僕はそんなに子供か……?」
皆の視線がセシルに集まる。
彼女は困惑しつつ、遠慮気味に答えた。
「その、立ち振舞いや実力とかは立派なんだけど……」
「だけ、ど?」
「その……女の子と張り合うのは、ね……?」
「――!?」
言葉は心を貫き、思考を停止させる。
そこにアルバはやって来た。
「これチェルシー、皆に迷惑を掛けるでない」
「でもっ、私はウッドロウ様を守るって決めたの! ウッドロウ様のある所に、チェルシーあり!」
「むぅ……困ったのう……」
思考停止状態のリオンをセシルが宥める傍らで、アルバは頭を悩ませウッドロウの方を見る。
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bkm
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