16

「確かに10センチも差が無いような……」

「ル、ルーティさんっ」


 フィリアがたしなめるも既に遅く、リオンは目元を引きつらせていた。

 だがそれでも声を荒げない彼は、最後の砦であるセシルに問う。


「セシル、僕はそんなに子供か……?」


 皆の視線がセシルに集まる。

 彼女は困惑しつつ、遠慮気味に答えた。


「その、立ち振舞いや実力とかは立派なんだけど……」

「だけ、ど?」

「その……女の子と張り合うのは、ね……?」

「――!?」


 言葉は心を貫き、思考を停止させる。

 そこにアルバはやって来た。


「これチェルシー、皆に迷惑を掛けるでない」

「でもっ、私はウッドロウ様を守るって決めたの! ウッドロウ様のある所に、チェルシーあり!」

「むぅ……困ったのう……」


 思考停止状態のリオンをセシルが宥める傍らで、アルバは頭を悩ませウッドロウの方を見る。


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bkm

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