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 声を大にして決断出来ないのは、相応の理由があるのだろう。彼は訊かずとも話してくれた。


「サイリルという町は、義勇軍の拠点になっているんだ」

「それじゃあ、少し遠回りした方が良いですね」

「そうだが……、主力部隊はハイデルベルグに居る。サイリルの人々が敵と見なしているのは王家の人間だけだから、私がちゃんと身分を隠せば何とかなるかもしれない」


 それは一か八かの賭けになる可能性もある。しかし急いでいる身としては、少々危険な選択にも妥協しなければならないだろう。

 そこにセシルが、更に危険な案を上げた。


「出来ればサイリルに立ち寄って、向こうの情報を手に入れておきたい所だね。義勇軍だって国を想っているんだ、旅人だと言えば目の敵にされる事は無いと思いたいけれど……」

「それは妙案だが、そうなるとウッドロウは町の外に居てもらう事になるな」

「私は構わない、姿を隠すのは得意な方だ」


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bkm

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