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 穏健派のダリスも、王のあまりの仕打ちに武器を取ったのだろうか。義勇軍を纏めるリーダーとなれば、首都奪還の大きな壁となるだろう。


「なるほどな……ウッドロウが居る限り、少なくとも武力派は武器を収めないだろう。そしてそれをグレバムが利用する……怒りに満ちた人間を操るのは容易いからな」

「グレバム……国を滅茶苦茶にしてまで、何がしたいんだ……!」


 スタンが怒りを見せ、ルーティもそれに同意した。


「確かにね、国の中の問題に外部の人間が横槍入れちゃ駄目でしょ。ね、マリー」


 隣に立つマリーに話を振るが、彼女から言葉は返って来ない。我を忘れているのか、まるで此処ではない何処かを見ているようだった。


「マリー? ちょっと……大丈夫?」


 軽く肩を叩くとマリーは我に返り、少し間を空けルーティを認めた。


「あ……すま、ない」

「……もしかして、何か思い出してる?」


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bkm

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