一体、どういう事なのだろうか。
「第二の動乱は二年前に起きた。動乱と呼べる程戦火は大きくなく、王家の勝利となったが……問題は動乱の始まりにある」
「始まり……?」
「ああ、第二の動乱は……父の方から始めたのだ」
「それは……、反乱軍の掃討、か?」
それにしては、第一と第二の動乱の間が空きすぎている。その疑問をリオンが口にするとウッドロウは頷き、伏せていた眼を上げた。
「当事彼等は義勇軍と名乗り、リーダーとなったダリスが父に何度も謁見した。ダリスは穏健派であり、武力派の面々を抑えつつ話し合いを重ねていたが……父は兵を挙げ、義勇軍の粛正を始めた」
賢王と呼ばれた男が、理由も無く粛正などという決断を下す筈が無い。しかしウッドロウの表情を見るに、彼も賢王の心意を知らないようだ。
「今回グレバムという余所者の言葉に簡単に乗ってしまったのも、第二の動乱があったからだろう」
prev next
bkm
[back]