「確かにグレバムがこの反乱の元凶だが……奴の下に行こうとすれば、反乱軍を指揮するダリス・ヴィンセントは間違いなく立ちはだかってくるだろう」
「ダリス……?」
「マリー?」
静かだったマリーの呟きにルーティが反応する。当の本人はすぐに首を横に振り、大丈夫だと彼女に伝えた。
「ダリス・ヴィンセント……お前の口調だと、以前から知っている様な素振りだが」
「ああ……そうだな、今更隠す意味も無いな……」
小さな溜息の後、彼は知る理由を説明した。
「王家と反乱軍は昔から対立していた。10年前、武力派のリーダーを中心に反乱が起き、それを父が同じく武力で制圧し鎮静化した」
「ファンダリア動乱だな。それがキッカケで、イザーク王の名声は他国にも更に知れ渡る事になった」
「ああ……だが、動乱はもう一度起きたんだ」
彼の話に、リオンとセシルは驚き眼を見開いた。第二の動乱など、聞いた事が無かったからだ。
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