王子の人当たりは良く、相手に威圧感を与えない。賢王とはまた違った、王族の姿という事か。

 話は漸く本題に入る。


「なるほど君達が噂の客員剣士か……。セインガルド側からの正式な申し出が無かった気がするが」

「ああ、僕達は勅命の下で秘密裏にある男と、そいつが盗んだ“神の眼”という遺物を追っている。その男がこの国に向かったらしく、アクアヴェイルの協力で追って来たのだが……」

「ふむ……その男の名は、グレバムではないかい?」

「……! やはり奴が一枚噛んでいたか……」


 苦々しい顔をするリオンに、コレは両国が絡む問題であると判断したウッドロウはグレバムを知る理由を説明した。


「グレバムが以前から王家と対立していた反乱軍を焚き付けたらしく、共に城に攻め行って来たのだ。奴はモンスターをも従え、あっという間に城を掌握してしまった……」


 やはり城は落ちた様だ。

 一番の重要点を、リオンは訊く。


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