「え、あ、ウッドロウさんって、王子様……?」
「アンタねェ……他国の人間でも名前くらいは知ってると思うわよ? この国の王、賢王イザークが世界的に有名なんだから」
「そ、そうなの、か?」
「そうです、ね……はい……」
フィリアをフォローの仕方が分からず苦笑する。
リオンに至っては頭痛さえ覚えていた。
「じ、じゃあ、アルバさんとチェルシーは……?」
「アルバ殿は私の弓の師匠なんだ。チェルシーは……妹弟子といった所か」
非常に落ち着いた口調でウッドロウは説明する。
そこにセシルが説明を付け足した。
「アルバ・トーンといえば、弓匠としてその道では有名だよ。確か王家とも繋がりがあると聞いてい――、るのですが……」
王子の前だという事でセシルは軽く咳払いをし、口調を正す。
その様子にウッドロウは微笑を浮かべた。
「かしこまらなくてもいいよ、普段通りにしてくれると私も嬉しい」
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bkm
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