アルバの依頼を了承したリオンは、足早にスノーフリアを後にした。
森までの道中、スタンはセシルに自分の疑問を話す。
「なあ、何でアルバさんはウッドロウさんの救助をリオンに頼んだんだ? 軍が動いてるなら、その、大丈夫なんじゃ……」
助けに行きたい気持ちはあるが軍が出た事もあり、それは一度“グレバム”という目的の為に押し殺した。しかし依頼を受けたリオンの雰囲気から、スタンは今の行動が単なる人助けには見えずにいた。
セシルは何度目かも分からない苦笑をし、剣を抜きながらディムロスに声を掛ける。
「ディムロスはもう、気付いているんじゃないかい?」
《ああ》
「え、どういう事だ?」
《お前……鈍いにも限度があるぞ……》
森に入り暫く進み、男達の大声を彼等は耳にした。
それを頼りに奥へと足を速める。
prev next
bkm
[back]