フェイトの指示に従い船はゆっくり港に着けられた。
皆は急いで船を降り、港町スノーフリアの惨状を眼にする。
「コレは……」
「一体何が……」
決して何か破壊されているというわけではない。寧ろそれよりも惨い、大勢の怪我人が町人に介抱されていた。
リオンがその中の一人である、他と比べまだ怪我の軽い兵士らしき男に声を掛けた。
「おい、一体何があった!」
「……終わりだ……ファンダリアは、滅びるんだ……」
「何……!?」
詳しく聞こうと更に質問しようとした時、老人の声がスタンを呼んだ。
「お主、スタンか!」
「あ……、アルバさん!?」
スタンが駆け出した先に居たのは、杖をついた老人。皆も駆け寄り、二人の話を聞く。
「アルバさんっ、一体何があったんですか!?」
「うむ……実は兼ねてより王家と対立していた反乱軍が、突然ハイデルベルグに攻め入って来たのじゃ。それによって城は落とされ、この様じゃ……」
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bkm
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