「…………」
ファンダリアが近くなり、海に雪が降る。
その様子を、マリーが甲板で見上げていた。
「マリー、どしたの?」
「うん……何だか、不思議な気分になってな……」
「それって……」
船上の雪に何か思い入れがあるのだろうか。そういえば彼女は雪に慣れている様子だったと、ルーティは思い出す。
「……大丈夫?」
「……ああ、大丈夫だ」
どうやら思い出すには至らなかったらしい。
ファンダリアが近いという事で皆が甲板に出て来ると、見張りの船員が声を上げた。
「フェイト様! 港に異常有り!」
「何……?」
望遠鏡で皆を確認するフェイトは眉間に皺を寄せ、隣に立つリオンにそのわけを話す。
「港に人が倒れているようです、それも複数」
「何だと? ……まさか、グレバムがまた何か……!」
「かもしれませんね……。
減速! 港の動向に警戒しつつ着岸!」
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bkm
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