「ジョニーさんは国に残るんですね」

「いやァ、行きたいのは山々なんだが……」


 港にて、ジョニーが横目で後ろを確認するとシデン家の臣下達が眼を光らせていた。目の前ではフェイトが不適な笑みを浮かべる。

 スタンや他の面々は苦笑していた。


「俺はべつに構わないが? お前の分の防寒具は用意しないが」

「雪国行くってのにそりゃねェよってな……おっかねェ……」

「言っただろう? 今まで好き勝手した分は……な」

「リアーナ……この鬼畜に何とか言ってやってくれよ」


 助けを求めるが、彼女も笑っている。


「あら、よく聞こえなかったわ」

「……四面楚歌」

「諦めろ」


 親友の肩を叩き、フェイトは満面の笑顔を彼に向けた。


「何せ皆、お前の事が大好きだからな」

「わーうれしー……」


 彼等のやり取りに、スタン達は背中を向け小声で話し合う。リオンとセシルもそれに参加した。


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