ヒールを鳴らし、甲板で風を受ける。
「幸せに決まってんじゃない」
フェイトの姿が見えた。
「――ファンダリアだと……?」
「はい、恐らく間違いないかと」
「……そうか」
甲板でフェイトの報告を聞いたリオンは、顎に手を当てこれまでの事を思い出す。
「ストレイライズ大神殿から――いや、飛行竜襲撃から始まり、大神殿、カルバレイス、フィッツガルド、アクアヴェイル、そしてファンダリア……グレバムは逃げているのではなく、世界中を回っているのか……?」
とりあえずは行動だと、フェイトにファンダリアへの出航を依頼する。彼は快く引き受け、船員達もそれに同調し出航準備が進められた。
《グレバムが世界を回る理由、か》
《彼がそこまでの知識を持っているとは思えないのよね……、知っていたらこんな、回りくどい事はしないでしょう》
《更に後ろに誰か居るって事は?》
《ふむ……杞憂であれば良いんじゃがなあ》
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bkm
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