リオンの溜息をキッカケに話は変わり、愛剣に問い掛けた。


「シャル……セシルの事、どう思う?」


 シャルティエもその質問が来る事を予想していたのか、あまり考え素振りを見せずに答える。


《体調もそうですが、精神的にも不安定な感じがしますね。流石に原因までは分かりませんが……》

「そうか……。訊いても、答えてはくれないだろうな……」


 思い出してみれば、彼女が自分から己の事を話したのは殆ど無かったかもしれない。常に傍に居て、助けてくれてはいたが、彼女の説明を求められたら納得がいくモノを上げられる自信が彼には無かった。

 訊いても答えてくれないのは、此方を心配させまいとしているからだろう。

 情けないと思うのと同時に、嫌な胸騒ぎを感じる。


「……国に帰ったら、先ずは有無を言わさず医者だな」

《こういう事は専門家に頼るのが賢いやり方ですしね》

「賢いというか、基本だろう」


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bkm

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