14

 床に血が散る、それはジョニーの物だが、彼は口元に弧を描いていた。

 シャルティエの刃によって流された刀は肩を掠め、床に突き刺さっている。


「焦ったな、ティベリウス」

「ぐ……!」


 腰を浮かせた瞬間、刀が砕け散った。

 視線が交わり、ティベリウスは不適な笑みを見る。


「武人失格だな」


 更に腰を浮かせ、斬り抜けた。

 広間に沈黙が降りる中、ティベリウスは立ち上がる。


「……一つの思想に捕らわれてるって点で言えば、同じなんだよなァ」


 ジョニーは未だ強い眼を見せる大王に言った。


「駒に成り下がった気分はどうだ、ティベリウス」

「……道化が、ほざきよるわ」


 吐き捨てる様にティベリウスは告げ、命ともに大王は崩れ落ちる。

 同時にジョニーも腰を降ろした。


「やれやれ……暫くは筋肉痛だなコリャ……」

「ジョニーさん!」


 肩で息をする彼に皆が駆け寄る。

 その中で、リオンがグレバムの姿が無い事に気付いた。


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bkm

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