「剣を持て、ジョニー・シデン! 余が頂点だという事を、証明してやろう!」
「やれやれ……血気盛んなオッサンだな」
道化師ならば流すだろう。しかし彼はジョニー・シデン、復讐を誓った男。
「ま、いいぜ。セシル、お前さんの剣を貸してくれないか」
「あ、ああ……」
止められないのは分かっているから、セシルは剣を投げ渡そうとした。それをリオンが止め、代わりにシャルティエを彼に投げ渡す。
「この剣は……」
「この戦いに相応しいのは、宝剣だったその剣だろう」
「いい、のか?」
「僕が判断した事だ。但し、条件がある」
眼を見つめ、少年は突き付けた。
「その剣を持つ以上、負けも相討ちも許さない」
「つまり勝てと、ね。年下の男の子に凄まれちまったなァ」
参った参ったと言いながら、ジョニーは道化の服を脱ぎ軽装になる。歳にしては細身だが、剣士として申し分ない筋肉の付き方をした身体を露にした。
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