厄介、この一言に尽きる。


「……他所から手に入れた力で、お前は何をしたいんだ?」


 道化師が問い、大王が答える。


「セインガルドを打ち倒す。それがアクアヴェイルの悲願だろう、シデンの三男坊」

「それは本当に民が望んでいる事なのかね」


 笑う道化師は何時もの彼だが、雰囲気が何時もの彼ではない。

 それは重苦しく、ティベリウスにだけ向けられている。


「独り善がりも……いや、お前の行動は全てお前の為か。独裁政治は何時か絶えるのが世の常ってもんだぜ?」

「くだらん常だな。そ奴等には頂点に立つ資格は無かっただけの事」

「お前には資格はあると……、笑えないジョークだねェ」


 後方のスタン等の戦闘は何時の間にか中断されており、皆道化師と大王の対論に注目していた。


「お前が、フェイトに勝てるとは到底思えないんだけどな」


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bkm

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