広間奥の壁が開き、玉座に向かうに相応しい扉が現れた。


「玉座……王の間はこの奥だ」

「ならさっさと行くぞ、兵士共がそこまで来ているだろうからな」


 扉を開け、一行は王の間を進む。

 中央に、二人の男は居た。


「ほう、やはり生きていたのか、しぶといモノだな」

「グレバム……よくもまあ、こんな大それた事をしたものだな」

「はて、何の事だか」


 一歩後ろに下がったグレバムは、玉座に座る大王に声を掛ける。


「大王様、奴等がセインガルドの密偵で御座います。あの男が持つ剣が、その証明となりましょう」

「貴様……!」


 睨み付けるリオンに対し、グレバムは不適な笑みを浮かべた。

 その間にティベリウスは立ちはだかり、刀を抜く。


「余が知る顔が居るとは驚きだな」

「そいつは光栄だな、大王様よ」


 険悪な雰囲気の中、広間の方から現れた兵士達が退路を塞ぐ


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -