「何だ、この部屋は……」
リオンが呟く広い部屋の中には、様々な動物の絵が描かれた扉が十数枚。何かの仕掛けと見るのが自然だろう。
しかし背後から兵士達が迫って来ており、あまり時間は掛けられない。
「やっぱりこの仕掛け使って来たな……単純な野郎だ」
「分かるか?」
「当然。ちなみに、適当に開けると首飛ばされるぜ?」
扉を近くで見ていたスタンとルーティが慌てて離れる。
それと入れ代わる様にして笑いながらジョニーが扉に近づき、鼠が描いてある扉を躊躇い無く開けた。
「ジ、ジョニーさん、大丈夫なんですか?」
「平気平気、順番は決まってるからな」
どんどん扉を開けていく彼を見ていたフィリアが、ふと思い出し呟く。
「もしかして干支でしょうか?」
「干支って……子、丑、寅……ってヤツだったかな?」
「お、二人共よく知ってるねェ」
感心しながら猪の扉を開けると、何か軽い音が広間に響いた。
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bkm
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