見えてきたトウケイ領から出て来た船が、艦隊に向かって来る。
報告を受けたフェイトが伝令を飛ばした。
「全艦全速前進！ 海上戦には入らず、速やかにトウケイ軍の制圧を行う！」
全力でないとはいえ、海上戦で名高い黒十字艦隊に勝てるとは向こうも思ってはいないだろう。その証拠に行なってくるのは威嚇ばかり。
港に近づいて来た所で、フェイトは拡声器を使い敵軍に投降を促す。
『トウケイ軍に告ぐ！ 我々は侵略をしに来たのではない！ 我々が狙うは、この内乱の元凶であるティベリウスただ一人！ 我々は、君達の速やかな投降を望む！』
恐らく、全軍武装解除とはいかないだろう。それでもフェイトは、港に到着する寸前まで投降を求めた。
「自害する奴とか出てくるんでしょうね、きっと」
「自害って……どう考えても、ティベリウスは悪い奴だろ？ なのに何で――」
「それが戦争ってモンなのさ」
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bkm
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