17

 彼の自棄にも似た復讐劇を止められるのは、城へ向かうリオン等しか居ない。


「……確かに、あんなのでもシデン家の人間……コネは作っておいた方が、後々役に立つ」

「君は相変わらずだねェ」

「本当の事を言ったまでだ。鎖国状態にあったこの国と交友関係が生まれる事は、セインガルドには大きなメリットだ」

「ま、それもそうだけどね。国際問題は損得で考えるのが常道だし」


 フェイトがアクアヴェイルの王になれば、友好な関係を築けるだろう。それが二つの国にとって必ずしも良い方に転がるとは限らないが、変わるキッカケにはなる。

 歴史はこうやって動いて行くのかと、セシルは思う。


「ありがとうございます、リオン殿、セシル殿」

「礼ならこの事件が終わった後にしてくれ。陛下を通してくれれば、僕の株が上がる」

「抜け目無いなァ……」


prev next

bkm

[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -