14

 何故笑っていられるのか、セシルには分からなかった。

 彼女の死は、彼にとってどんな意味があるのだろうか。


「そろそろトウケイに着く頃だろ、もしかしたら海上で一戦あるしれないな」


 軽い足取りで場を離れるジョニーを、スタンが追う。

 残った二人が何も言えず立ち尽くしていると、立ち去った筈のフェイトが戻って来た。


「あ……」

「正に道化ですよ、アイツは」


 道化の親友はそう言った。


「流石に気付きましたよね……先程の語りが、誰の事を指しているのか」

「……先程言った仇討ちと、何か関係があるのか?」


 他人の事情に踏み入る少年に、セシルは驚く。

 もしかしたら、シャルティエの事があったからか。


「……アイツは、刺し違えてでもティベリウスを討つつもりです、それも一人で。あの言動は、それを悟らせない様にする為でしょう」

「無謀以外の何者でもないな。腐ってもティベリウスは武人にして大王……返り討ちに合う可能性だってあるだろう」


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -