何故笑っていられるのか、セシルには分からなかった。
彼女の死は、彼にとってどんな意味があるのだろうか。
「そろそろトウケイに着く頃だろ、もしかしたら海上で一戦あるしれないな」
軽い足取りで場を離れるジョニーを、スタンが追う。
残った二人が何も言えず立ち尽くしていると、立ち去った筈のフェイトが戻って来た。
「あ……」
「正に道化ですよ、アイツは」
道化の親友はそう言った。
「流石に気付きましたよね……先程の語りが、誰の事を指しているのか」
「……先程言った仇討ちと、何か関係があるのか?」
他人の事情に踏み入る少年に、セシルは驚く。
もしかしたら、シャルティエの事があったからか。
「……アイツは、刺し違えてでもティベリウスを討つつもりです、それも一人で。あの言動は、それを悟らせない様にする為でしょう」
「無謀以外の何者でもないな。腐ってもティベリウスは武人にして大王……返り討ちに合う可能性だってあるだろう」
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bkm
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