時が経ち、悪戯好きの男は恋をした。相手は優しい女性、気を引きたくて知恵を絞った。
だがある時知ってしまった、親友でもあった男と女性が両想いだという事に」
スタンは驚きを隠せず、リオンは僅かに表情を険しくする。
「男は身を退き、恋心を隠し二人を応援した。周りも二人を祝福した。
だが、横恋慕した別の男が彼女を拐ってしまった。そいつには力があり、彼等は何も出来なかった。そして、迎えたのは最悪の結末」
セシルは一瞬、彼の眼に強い何かが宿ったのが見えた。
「愛するが故に、女性は自ら命を絶ったのさ」
結末に三人は絶句するが、彼は微笑を浮かべる。
語りの登場人物達は、三人が思っている通りの筈だというのに。
「うーん、何かイマイチだったな。やっぱり歌ってる方が調子良いか」
「ジ、ジョニーさん、どうして俺達に……」
「んー、まあ、人生色々あるってのを若者達に教えてやりたかったって所か?」
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bkm
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