《我は賛同しかねるがな……》
「確かに心配だけど……、セシルがあそこまで頑固になるのはきっと理由があると思うな」
《ふむ……それは否定はしきれんが……》
普段の彼女ならば自ら退くだろう。それをしない所を見ると、スタンの言う通り思惑がある様だ。
それがどんなモノか、知る由も無いが。
《坊っちゃん、その……》
「べつ、に……僕が大人気なかったとは反省している。シャルの戯言にいちいち付き合っていては疲れるしな」
《それでこそ、坊っちゃんですね》
それもどうかとセシルは思うが、二人がそれで良いなら口を挟む必要は無い。
取りあえず話が纏まり談笑していると、そう遠くない場所から誰かの声が聞こえた。
「コレは……フェイトか……?」
「何だか、良い雰囲気ではなさそうだけど」
聞こえる声色には、静かな怒りを感じる。
皆はその声の元に向かい、彼等はそこに居た。
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bkm
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