「もしかしたら、ジョニーはソーディアンの声が聞こえていたんじゃないかな?」
《え? でも、今は聞こえていないみたいだけど……》
「ほら、たまに聞くだろう? 子供の頃に見えていたモノが、大人になったら見えなくなった……とか」
《つまり、大人になったら聞こえなくなった……って?》
一見不可解に思える話だが、ソーディアンの声が万人に聞こえない事を考えると納得が出来る。
ソーディアンを作った“彼女”なら何か分かったかもしれないとシャルティエは思う。同時に、言っていないだけで既に分かっていたかもしれないとも。
《まあ、色々あっなしなァ……》
「何か言った?」
《んー、ちょっと昔の事を思い出しただけ》
そう言った直後、セシルは胸を押さえた。また体調が悪くなったのかとシャルティエが心配すると、彼女は微笑を浮かべる。
「大丈夫、私もちょっと、昔の事思い出しただけだから……」
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