先程のリオンの怒声の理由を、シャルティエは話し始めた。
《実は僕、アクアヴェイルに居たんだ》
「……だから、宝剣だって……」
《ん……でも本当は宝剣じゃなくて、処刑用の剣だったんだ。機能停止してたからどうって事は無かったけど……突然眼が覚めた》
「え? だってソーディアンは近くに他のソーディアンかマスター候補が居ない限りは――」
《そうなんだけど、眼が覚めたんだ。それで自分が処刑に使われてるって分かってさ……》
感覚が無いとはいえ、嫌な気分だろう。それを示す様に、彼の声には何時もの明るさは無い。
《そしたら、僕を処刑用の剣としてじゃなく、この国の宝にしたらどうかって言った人が居たんだ。こんなに綺麗な装飾を血に濡らすのは勿体無いって》
「それが……ジョニー?」
《うん。まだ子供だったけど、凄く必死に説得してたんだ》
そこまで聞いたセシルはある事を思い付き、それを伝えた。
prev next
bkm
[back]