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 確証は無い故に、彼が否定したらそれまで。

 だがもしも推測が当たっていたら、とてもじゃないが理解が出来ない。命を賭けるという事を、彼女には出来ないからだ。


「勝手な理屈並べんじゃねェよ、期待の客員剣士、さんよォ……? 世の中力が全てなんだ、貰えるモンは貰って……当たり前だろうが、ええ?」


 結局確証は得られなかったが、断言は出来る。彼は分かっていて、力を手にした。

 死への恐怖は微塵も感じられない。


「国だの神だの、くっだらねェんだよ。強い奴が威張り散らして、弱い奴が這いつく張ってる……結局はそれだけの事じゃねェか。
 その上何の代わり映えもしないつまんねェ世の中、ぶっ壊したって……バチなんざ当たんねェよ。神なんざいやしねェんだからな」


 仮にも聖職者でありながら、主とすべき存在を否定する。

 それを、同じ聖職者が否定した。


「そんな事無いわ。例えどんな立場であっても神という存在は平等にある……そう信じて私は呆られても、勉強を続けた。……貴方は呆れていたけれど、私に手を貸してくれたでしょう……?」


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bkm

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