野望を宿す眼が、上を見た。

 距離を取ったかと思いきや、召喚された氷塊をバティスタは鉤爪で砕いてみせる。


「なるほど、一筋縄ではいかないみたいだ」

「ズルいなんて言わねェよなァ? 此方は実質一人なんだからよ」

「友達居ないの?」

「俺が凄過ぎんじゃねェのか?」


 不適に笑う彼が一瞬風を纏い、召喚された風の家がフィリアに向けて放たれた。それはかなりのスピードであり直撃かと思われたが、ジョニーが彼女を抱き横に避けた事で事なきを得た。


「おいおい、か弱い女の子狙うなんて最低だな」

「戦闘に参加してる以上、か弱いも何もねェんだよ」

「最もな話だが、それは自分にも言ってるんだよな?」


 ジョニーの言葉と同時に、ルーティの晶術が発動する。


「ディープミスト!」


 霧が立ち込め、視界を奪う。

 晶術で吹き飛ばそうとバティスタは高速詠唱を始める。だがそれが完了する前に、霧を切り裂き衝撃波が彼を襲った。


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bkm

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