それを聞いたスタンは神妙な面持ちになる。
彼の事だから、素直に人間が三昧おろしになった姿を想像したのかもしれない。
「何か微妙に騒がしいと思ったら、やっぱりお前等かよ」
「――! バティスタ……!」
牢までの道を遮るのは、兵士を率いたバティスタ。
以前と同じふてぶてしい彼だが、纏う雰囲気は何か違う。
「バティスタ……貴方、何を……」
「んー? べつに何もしてねェが……強いて言えば、グレバム様に力を頂いた事くらいかねェ」
「力……!?」
グレバムから力、言うまでもなく神の眼の力。
それならば、彼から感じる威圧感が納得出来る。
「道理で、どっかで感じた事ある気配だと思ったわ……」
ルーティの呟きに、皆は内心同意する。
その直後にマリーが何かに気付き、声を上げた。
「ティアラが無い……!」
「マリー……外されちゃったのよ……」
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bkm
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