領主の妻として、そしてフェイト・モリュウを愛する一人の女として彼女は強い意思の下、城からの脱出を拒否する。


「私に何も無い方が、貴方達も動き易いでしょう?」

「あー……それもそうだな。じゃ、彼女の事頼むぜ?」

「はっ、かしこまりました」


 臣下に彼女の護衛を頼み、この場は一先ず落ち着く。

 次にフェイトの下へ急ぐ一行に、リアーナが声を掛ける。


「皆、気をつけて……!」

「ああ、ちょっくら悪者退治に行って来るぜ」


 牢部屋を後にし、ジョニーの案内を頼りにフェイトが居る筈である城の奥へと急いだ。

 途中やはり兵が居たが難なく倒し、先程よりも大胆に突き進む。ジョニーは案の定、戦闘では逃げの一手。


「兵士の会話からするに、ティベリウスはトウケイに引き上げたみたいだな。不幸中の幸いってヤツかねェ」

「ジョニーさん、ティベリウスってそんなに強いんですか?」

「ああ、一瞬油断しただけで三昧におろされちまうよ」


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bkm

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