「よく、私達を信用しようと思いましたね。半ば騙した様なモノなのに」
「いえ、確かに最初、セインガルドの客員剣士殿と聞いた時はその、驚きましたが……」
反応が微妙なのは、とても国王の勅命を受けた一行に見えないからだろう。
ジョニーが信じてくれなかったら、共闘は不可能だった筈。そう考えれば、彼の人柄を窺う事も出来る。
「思っていたんですが、フェイト殿の処刑……少々急ぎ過ぎでは?」
「それは……恐らく、ティベリウスの私怨でしょう。奴は過去に、フェイト様に一対一で敗北した事があるのです」
その言葉で納得が出来た。
あのティベリウスという男は、自分が頂点でなければ気が済まない男。高い武術と民の信頼をも持つフェイト・モリュウは、彼にとって最大の障害物だろう。
「居ますよね、そういう輩……」
少なからず、存在する。
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bkm
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