進んだ地下は、武者鎧が飾られた薄暗い部屋。
そこには既に、先客が居る。
「若! 今まで何処に!」
「すまんすまん、ちょっと色々な」
臣下であろう男に詰め寄られたジョニーは笑顔で彼を宥めた後、皆に腰を降ろす事を勧めた。
座卓を囲み、各々の情報が提示される。
「グレバムに神の眼か……ティベリウスが侵攻を始めるわけだ」
「グレバムにとってティベリウスは、自分から喜んで邪魔者を排除してくれる駒に過ぎないだろうね。
しかし大王になった途端に鎖国した事を考えると、元から持っていた野心はかなりのモノか」
「ああ、力こそが正義を地で行く男だからな」
セシルの考えを肯定し、ジョニーは呆れた様に笑った。
直後にリオンが、鞘にシャルティエを座卓に置き問う。
「ジョニー、この剣が、この国の宝剣だというのは本当か」
あれからシャルティエは何も言わない。
数十秒沈黙が流れた後、道化は変わらぬ笑顔で答えた。
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bkm
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