「リオンっ、セシルっ」
現れたスタンに二人が着いて行くと、寂れた小屋に彼等は入る。
そこには地下があり、進むと小さなボートが置かれた船着き場に出た。
「リオンさん、セシルさん」
「フィリア……どうして此処に」
「それは――」
「俺が声を掛けたのさ」
顔を上げると、上の階からあの道化の男が降りて来た。
彼は笑顔で、それに対しリオンは断言する。
「ジョニー・シデンだな」
「ああ、お宅等は国本からの助っ人……か、ホントに」
「そうだと言ったらお前は信じるのか」
「いや、ティベリウスの野郎がアンタ等を知ってる以上はな」
それは仕方ない事だが、新たな疑問を抱く。
「何故、僕達を助ける様な真似を」
「んー……気紛れ、かな。それに、ティベリウスの野郎が嫌いなもんでね」
飄々としており、本心を見抜く事が出来ない。
リオンは少々、苛立ちを覚えた。
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