「――そこに隠れているのは誰だ!」
ティベリウスの指摘と同時に、兵士達が二人が隠れている場所を囲む。
誤魔化せないと悟った二人は剣を抜き、向かって来た兵士を返り討ちにし表に姿を現す。
「ティベリウス・トウケイ、先程の宣言は宣戦布告と見なすぞ」
「フン、貴様がリオン・マグナスか」
「……グレバムか」
リオンの名を口にした以上、後ろにグレバムが居るのは間違い無い。
だが彼は、次に驚くべき事を口にした。
「貴様が手にしているその剣は、我が国の宝剣だろう!」
「何だと……!?」
《――!》
リオンとシャルティエが動揺した瞬間、兵士達が一斉に襲い掛かる。
セシルがそれらを全て防ぎ、ティベリウスを見上げた。
「全てがグレバムの言う通りならば、他にも仲間が居るという事か、セシル・オルグレン」
「……さあな」
近くにあった木箱をティベリウスに向かい蹴り飛ばし、彼女はリオンの腕を掴み走り出す。
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