「ティベリウス様よりお話がある! 今すぐ、港に集まるのだ!」


 兵士の言葉に街人に動揺が走る。

 ふとセシルが視線を戻すと、そこに道化姿の男が居ない。


「逃げたか……?」

「みたいだね。どうする、港に行ってみる?」

「……ジョニーが掴まらない以上、手の出しようがない。向こうの手の内を知る為にも行ってみた方が良いな」


 リオンの案に皆は賛成する。

 直後にルーティも案を出した。


「でもこの人数で彷徨くと目立つわよ、何時も通り分かれる?」

「そうだな……僕とセシルで行って来る、お前達は何処かに隠れてろ」

「え、大丈夫か?」


 心配するスタンに、リオンは素っ気ない態度で言葉を返す。


「うっかり音を立てられでもしたら迷惑だからな、お前達は大人しくしていろ」

「私達は本職だし、そうそうヘマはしないから安心して」


 セシルが少年の言葉をフォローすると、スタンは納得したのか頷いた。


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bkm

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