「三人だと聞いていたが……」
「その、だな、手数は多い方が良いと思ってな」
「なるほど……」
人の気配が殆ど無い街の外れで、リオンからシデンで渡された助っ人の証拠を受け取った、トウケイ軍の兵士は納得し頷いた。
「しかし困ったな……肝心のジョニー様が何処に行ったのか……」
「どういう事だ?」
「聞いているとは思うが、シデン家の三男ジョニー様とモリュウ家の現当主フェイト様は幼なじみなんだ。ティベリウスがこのモリュウに侵攻して来たと聞いてジョニー様が国本を飛び出しこの街に来たのだ、無断でな」
「僕達はその三男坊の力になれ、と」
間者である兵士は再び頷き、溜息をつく。
表情から察するに、状況は良くないらしい。
「実はフェイト様が処刑されると布令が出てな……それからジョニー様の姿を見ていないんだ」
「処刑は……やり過ぎじゃないか?」
セシルが意見すると、間者も同じ事を思っていたのか深く俯く。
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