ヒューゴ邸の広間にて、スタン、ルーティ、マリーの三人は改めて屋敷の主であるヒューゴと顔を合わせていた。

 総帥の傍にはセシルとリオンが待機している。


「マリアン、例の物を」


 指示に従いメイド長・マリアンは、布にくるまれた細長い物を運んで来た。

 丁寧にテーブルに置き布を広げると現れた、二本のソーディアン。


「ディムロス!」


 スタンが再会の喜びの声を上げる一方、ディムロスは何故か焦りを見せていた。


《何処で油を売っていた! 事態は急を要するのだぞ!》

《相変わらずだなぁ、ディムロス……》


 シャルティエが小声で呟く。

 その後、アトワイトを手にしたルーティが話を切り出した。


「言っとくけど、アタシはやるなんて一言も言ってないわよ? 何で国に命令されなきゃ――」

「20万」

「へ?」


 ルーティがすっとんきょうな声を上げる。

 それを見てヒューゴは掛けている眼鏡を指で押し上げ、自分の言葉の説明をした。



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