「アイストルネード!」


 氷の竜巻が母体の動きを鈍らせる。そこにスタンとリオンは剣を叩き込んだが、ゆっくりではあるが傷口が再生していく。

 そうと分かれば、短期決戦に持ち込むのが常道。


「クレメンテ、あのモンスターに弱点となる部分は無いのでしょうか」

《ふむ……あるだろうが、肉の中じゃろうなァ。一気に攻めるのが良いかもしれん》

「分かりました……、参ります!」


 詠唱を始めたフィリアに反応し、母体は声を発し子を呼び寄せた。

 集まって来たそれを、リオンとルーティが掃討する。


「マリーさん!」

「おう!」


 スタンとマリーが距離を詰めて来る母体の前に駆け、自分の拳を構えた。


「獅子戦吼!」


 二人の闘気を受けた母体は動きを止める。

 代わりに上部にある口が、何やら吐き出そうとする様な動作をした。


「させるか!」


 逆手に持った剣でセシルが斬り抜けた直後、動作が完了する前に口部は落ちる。


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bkm

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