あのルーティが頭を下げている事に、リオンは驚いていた。
「こういう事はこれっきりにするわ、死んだら意味無いし。この仕事が終われば、報酬で暫くウハウハ出来るしねー」
「そうだな、それがいい」
多くは語らず、マリーは賛同する。
ルーティは苦笑混じりに微笑んだ。
「セシル……」
「ん、君が思っている通りだと思うよ」
思っている事、それはルーティに変化を与えたのはスタンだという事。
ただ共に行動しているというだけでは彼は、助ける事に全力を注ぐ。
「……フン」
“姉”は、憑きモノが落ちたかの様に笑っている。
そこに響く、何かの声。
「ん、今のは?」
「洞窟の入口で聞いたのと同じだ。距離はそれほど近くは無い様だが」
「も、もしかして、さっきのモンスター達の……」
「あー、確かに声が似てるかもしれないね」
「じゃあさっさと、こんな真っ暗なトコからオサラバした方が良いじゃない。出会い頭とか冗談じゃないわっ」
「そうだな……行くぞ」
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bkm
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