15

「笑うな!」

「ゴメンゴメン。とにかく内緒にするから、落ち着いて」

「うー……」


 穏やかな笑顔で宥められたルーティは俯き、小さな声で何やら呟いている。

 かと思いきや、笑顔のスタンに向かい叫んだ。


「このっ、スカタンがァーー!!」


 今更覆す事も出来ない。


「セシル」


 リオン等が戻ったのは、それから少し経った後だった。

 穴の中の二人はすぐに引き上げられる。


「助かったよ、ありがとう」

「まったく、軽率な行動を取るからこんな事になるんだ」


 少年はスタンに向けて言ったが、恐らく遠回しにルーティも非難している。

 それに彼女が、気づかない筈が無い。


「あ、あのさ」


 意を決した様に、彼女はハッキリとした声で話を切り出した。


「その……ゴメン、迷惑掛けて」


 その言葉に一番驚いているのはリオン。スタンは笑顔だ。


「な……」

「ルーティ……!」


 人は誰しも、変われるのだろうか。


prev next

bkm

[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -