怒りの声には、強い決意が見える。
「アタシの大事な人達が生きていく為にだったら、アタシは何でもする! 守銭奴だの強欲だの言われてもアタシはアタシよっ、今更道を変える気なんか更々無いのよ! このお節介の能天気男!」
彼女の言葉はそこで終わり、暫し静かな時間が流れた。
最初に声を出したのは、調子の変わらないスタン。
「そっか……分かった」
「は?」
「ルーティは、大事な人達を守ってるんだな……その為に金を稼いでるのか」
「あ……」
本当に勢いだったのだろう、それを証明する様にルーティの言葉は聞こえない。
「凄いな、ルーティは。もしかしたらさ、ルーティの財布ってその大事な人達から貰った物とか?」
「や……そん、な」
否定なんて出来ないのだろう。本当に大事で、大切なモノなのだろう。
青年は笑う。
「ルーティってさ、やっぱりすっごく優しいんだな」
「……は……はぁ!?」
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bkm
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