深い溜息と共にルーティは言う。

 スタンも、変わらぬ調子で言った。


「何でそんなにレンズが大事なんだ?」

「お金を稼ぐ為なんだから当たり前でしょ。アタシはレンズハンターなんだから、何があろうがレンズを集めるに決まってるじゃない」

「でもそれで怪我したら大変だろ? それにルーティは女の子なんだから、もっと自分を大事にした方が良いよ」


 間違いなく、彼の言葉は心からの心配によるモノだろう。

 だがそれは、彼女の逆鱗に触れてしまったらしい。


「女だから何よ! 弱いからすっこんでろって言いたいの!?」

「そうじゃないけど……、命は金に代えられないだろ?」

「だから何よ、アタシは命を賭けてこの仕事やってんの、アンタな指図される覚えは無いわっ」


 ルーティの金に対する執着心はかなりのモノで、“強欲の魔女”と呼ばれるのも無理は無い。

 何が彼女をそうさせているのかとセシルが思っていると、スタンが問い掛けた。


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