「さっきルーティも言ったけど、これだけモンスターの死骸があったら少なくとも同種族は寄って来ないだろうね。
もし来たら、穴に落ちて二人に晶術使ってもらおうかな」
だから安心して、と彼女は言う。
少々間を置いた後にリオンは頷き、マリーとフィリアを連れ来た道を戻って行った。
「っと最低! 落ちるし、レンズはどっか行っちゃったし!」
「でも二人共無事なんだし、良かったじゃんか」
「良くないわよ!」
穴の下から、二人の会話聞こえる。セシルは穴は覗かず、飽くまで自然な形で会話を聞く。
「大体アンタのせいよ! アンタが来たから落ちたんじゃない!」
「あ……ゴメン」
「そ……そんな、素直に謝らないでよ……」
バツが悪くなったのか、ルーティの声が小さくなった。
しかし、調子はすぐに戻る。
「あーあ、勿体無いなー、あのレンズでどれだけ儲けられたかなー」
prev next
bkm
[back]