深さはかなりあり、スタンはともかくルーティが自立で上るのは難しいだろう。

 ロープは、セシルとマリーが持っているのだが。


「さっき、モンスターに噛み千切られてしまった」

「私のは――」


 腰に装備しているロープが無い事に気付いたセシルは、さっきの戦闘で落としたのかと辺りを見渡す。結果それらしき物は見つけたのだが、場所はモンスターの死骸の下で体液で濡れ、何やらボロボロになっていた。


「……食ったな」

「いつの間に……確かに元は植物だけども……」


 どうにも不運が続いている。それから抜け出すには、行動あるのみ。


「一度シデンに戻って、ロープ持って来ないと駄目だね」

「ここまでの道は覚えてる、私が行こう」

「分かった。じゃあリオンとフィリアはマリーに着いて行って、戦力はあった方が良い」

「セシルさん、一人で大丈夫ですか?」


 フィリアの問いに、セシルは微笑を浮かべた。


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bkm

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