「――ん?」
嫌な音がし、セシルは顔を上げた。聞こえたのは彼女だけではなく、リオンとマリーも周りを見渡している。
「っと、コレで最後――」
最後レンズを拾い上げた瞬間、突然ルーティの足下にヒビが入る。
助けようとしたのだろう、スタンが駆け酔った瞬間二人は音を立て消えた。
「……ぇえ!?」
足下がしっかりしている事を確認し、皆は大きく空いた穴の周りに集まる。
リオンがライトで底を照らすと、スタンを下敷きにしたルーティが居た。
「ルーティ!」
「スタンさんっ、大丈夫ですか!?」
マリーとフィリアが呼び掛けると、我に返ったルーティが立ち上がり伸びているスタンを確認し答える。
「大丈夫よ! コイツもピンピンしてる!」
「良かった……」
「ああ、良かったな」
安堵の息をつく二人の隣で、セシルが首を傾げた。
「この高さで下敷きになってピンピンなスタンって……」
「野生児だな」
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bkm
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