声を掛けようとするスタンを押さえ付け、成り行きを見守る。


「何故だ! わざわざ遠路遥々やって来たというのに!」

「だから助っ人は既にモリュウに出発している! 偽者は立ち去れ!」

「だーかーらー! そいつ等が偽者! 俺達が本者!」

「そうよそうよ!」

「こんな仕打ち、あんまりでヤンス!」


 そういう事なのだろう。

 皆は気付かれぬ様にその場を立ち去った。


「アイツ等、どうやって来たのよ……」

「さあ……?」


 何と言うべきか分からないが、とりあえず感謝はするべきか。

 沈黙と共に彼等は町を後にした。


「何故だァーー!」

「うるさい!」


 行動力だけは、尊敬に値する、かもしれない。


「目指すべきは、その海底洞窟だね」

「ああ……一気にモリュウまで行くぞ」


 気を取り直し、一行は地図を頼りに海底洞窟を目指す。

 進むべき道はまだ見えている。


「海の下か……」


 “隠す”には丁度良い。


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bkm

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