何だそれはとセシルが言おうとしたが、先にルーティが言った。
「呆れた、詐欺みたいなモンじゃないそれ」
お前がそれを言うかと、客員剣士と炎のソーディアンは思う。
数秒の間の後、リオンが反論する。
「あっちが勝手に間違えたんだ」
「でもアンタ乗ったんでしょ?」
「乗ったんじゃない、誤解を解く暇を向こうが与えなかっただけだ」
「でもさ……」
「あっちが、勝手に、間違えたんだ」
だからこの話は終わりだとリオンが顔を背けた時、何処からか言い争いが聞こえた。
その内容に“助っ人”という単語が聞こえた為、皆は確かめる為にそこへと向かう。
「だから、俺達こそが真の!」
「真の!」
何処かで聞いた事のあるやり取りが聞こえる。
「俺達漆黒、漆黒の翼、真の助っ人、イェイ!」
見覚えのある三人組が、建物の影で町人の格好をしているが町人らしくない男と言い争っていた。
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