何も無くても、何かあったと勘繰ってしまうだろう。


「僕達はその……此処からモリュウへ向かう陸のルートを聞いた。少々危険らしいが、港が封鎖されているから致し方なしだろう」

「ヘェ、そりゃいい感じね。封鎖されてないとなると、少なくともトウケイ軍は知らないみたいだし」

「って事は、地図にも書かれてないって事? 地元民ならではってヤツかしら」


 そんなルーティの言葉には、何故か返答は無い。

 間違い無く、イレギュラーな何かがあったらしい。


「スタン、何があったんだい?」

「あー……」


 目力と微笑で迫ると、青年は話さざる負えなかった。


「その、何かさ、人違いされちゃってさ、“助っ人ってのに……」

「助っ人?」


 無視するわけにはいかない単語に、三人の女性は続きを求める。


「よく分からない男に、男二人と女一人の三人組の助っ人、ってなんか言われて、リオンが認めたら、海底洞窟を抜けてモリュウにって……」


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bkm

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