「ふむ、これなら問題あるまい。ソーディアンは私の屋敷に届けさせてある、そこで少々話をしよう。リオン、セシル、彼等の案内を頼むぞ」
その言葉を最後にヒューゴは一人城を出て行く。リオンは父を全く見る事は無かった。
「さて……まあ改めて自己紹介しておくよ。私はセシル・オルグレン、リオンと同じ客員剣士なんだ」
「俺はスタン・エルロンです。訊きたいんですけど、ディムロスのマスターって……」
「ああその話ね……実は私もソーディアンの声を聞く事が出来るんだ。でもどうやら彼は、私よりも君との方が相性が良い気がするな」
「え、そうですか?」
首を傾げるスタンに彼女は笑み、頷く。
その時リオンが舌を打ち、苛立った口調で口を出す。
「さっさと行くぞ、事態は急を要するからな」
「ゴメンゴメン……さあ、行こうか」
監視対象者達と共に二人は屋敷に向かう。
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