「――――」
「だ、大丈夫……?」
シデン領には無事到着した、一名を置いて。
「グレバム……会ったら八つ裂きにしてくれる……」
「大丈夫、っぽい、ね……」
ボートは隠し、一行は日の出まで身を隠し休息を取っていた。
「今、町に行かないのか?」
「んー、まあ、そうなんだけど、町中に居る時間はなるべく短い方が良いんだよね、何処でグレバムの眼が光ってるか分からないし。
だからなるべく手短にこの国の現状を調べて、これからのプランを組まないと」
「この時間じゃ、町の人出歩いていないだろうしね。情報収集は人が居なきゃ始まらないわ」
「でも、町の方々は話してくれるでしょうか。この国は鎖国状態ですし……」
「別の領から来たと始めに言った方が良いかもしれないな」
練られる作戦を、リオンは口を挟まず耳を傾ける。
思うのは、彼女の指導者としての素質は見事なモノだという事。
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bkm
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